あめんぼ座の活動
茨木のり子詩集「鎮魂歌」より 『りゅうりぇんれんの物語』 横光利一作 『蠅』
![amenbo202407.jpg](http://www.amenboza.org/photo/amenbo202407.jpg)
演出の言葉
りゅうりぇんれんの物語
1944年9月のある朝突然日本軍に強制連行された劉連仁。六尺の偉丈夫が身重の妻を残して......。八百余人は船に乗せられ日本の門司港に。それから劉連仁は北海道の炭鉱で苛酷な労働を強いられた。寒い冬を越して七月のある夜生き地獄から逃げ出した。海は渡れず山に籠もる。穴を掘って潜伏し続けること13年。戦争が終わったことも知らず苛酷な北海道の自然の中で逃亡し続ける。
2010年兵庫県立芸術文化センターでの語り芸花舞台の再演ですが、メンバーも入れ替わり新鮮な気持ちで語ります。どうぞ令和の「りゅうりぇんれんの物語」を今一度しっかりと味わっていただきたいと思います。
茨木のり子は詩集のあとがきに以下のように記しています。「1958(昭和33)年北海道でりゅうりぇんれん氏が発見された時、新聞の報道は大々的で当時誰もがこのニュースを知っていた。その渦中であえて書く必要があるだろうか?という逡巡もありながら、内部から衝きあげてくるものがあって、どうしても書かねばならぬという思いに従った。
人間の記憶の風化はおそろしく迅い。今頃になって「これは現実にあった話なんですか?」と半信半疑の様子で質問してくる人が多くなった。やはり書いておいて良かったのかもしれない」
今、世界は混沌とした状況ですが、日本の我々は過去の事実に対峙して過ちの無い未来に向かいたいものです。(演出・西野孝子)
蠅
山あいの宿場。街へ行く馬車にのるために、6人の乗客たちは出発を待っている。様々な事情を持つ乗客たちの人生、希望、不安を乗せて馬車は進む......。その行方を、一匹のハエが見ていた。
横光利一の有名な短編を、モノクロの短編映画のように淡々とした語りで表現したいと思っています。(演出・柳沢佐和子)出演
柳沢佐和子 柏原圭子 西野孝子 泉谷聖子 南数美 川口雅子 真木美佐緒 鬼頭寿美子 山本郁美 当麻美規子
スタッフ
演出:西野孝子(りゅうりぇんれんの物語)・柳沢佐和子(蠅)
照明:新田三郎
舞台監督:北尾利晴
宣伝美術:尾崎閑也
イラストレーション:奈路道程
記録:堀出恒夫・溝口隆徳
チケット取り扱い: 国立文楽劇場、あめんぼ座員
あめんぼ座事務局(電話080-4028-2346、メール amenboza1973@yahoo.ne.jp)
アクセス:大阪メトロ・近鉄「日本橋駅」7番出口より徒歩1分
劇団あめんぼ座与謝野晶子童話集より 「うなぎ婆さん」「女の大将」「金魚のお使」、夢枕 獏作「安義橋の鬼、人を噉くふ語 」 は大好評でした。